植え付け後の温度管理
水なすの無加温ハウス栽培の場合、植え付け後はまだ1月、2月の真冬ですので、ビニールハウスのサイド窓は晴天の日の日中でも閉めたままです。温度は全てハウス内の畝ごとに2重に設けたトンネルの裾の開け閉めで管理します。晴天の日はトンネルの片方を上までたくし上げた全開の状態にします。朝はハウス内の温度が上がり始めた頃に開けます。夕方は日が傾きかけた頃で未だハウス内の温度が暖かいうちに閉めてしまいます。少しでも夜間の冷え込みを和らげるため早めに閉めてしまうのがポイントです。また1日中雨の日は、トンネルは開けません。
トンネルの開け閉めを迷うのが、曇りや、雨のち曇りなどの回復傾向にある日です。特に後者の場合、ハウスから離れたところにいる時に限って、急に陽が差してくることがあります。その様な時にトンネルを閉め切っていると、トンネル内の温度が熱湯を被せたごとく燃えてしまうことがあります。そうなれば一瞬にして水なすの苗を枯らしてしまうこともあります。そのような危惧が少しでもある時は、原則ハウスを離れないことです。それでもハウスを離れる必要がある時は、トンネルの裾を何箇所か半分程度開けておきます。そのようにしておけば、異常事態発生時でも最低限は全滅するといった事態は避けられます。
活着までの管理
・水なすの定植後、根が活着するまでは、トンネルをあまり大きく開閉せず、密閉ぎみに管理します。トンネル内の温度と湿度を高めに管理することで、しおれが少なく、根の発育が促されるため、活着がスムーズになります。
・水なすの活着後(通常は概ね定植の約1週間後)は通常の管理に戻します。日中はなるべくトンネルを開け、水なすに光が当るよう 努めます。
低温期の管理(活着~4月中旬)
・昼温25~30℃、夜温13~17℃を目標に、特に夜間の最低温度が10℃を下回らないように管理します。
・曇天で気温が上がらない日が続く場合、夜温を低めに管理し、昼夜の温度差(約10℃あるのが理想的)を確保します。
・冬季は、日照が不足するため。日中暖かい日は多少気温が低くても、なるべく朝からトンネルを開放し、水なすを日光に当てます。
・3月下旬以降は、日中ハウス内が高温になりますが、30℃を超えないように注意します。気温が上がりすぎる場合は、ハウスの風下の側面上部を少し開けて換気します。
夏季の温度管理
・昼温35℃以下、夜温27℃以下を目標に管理します。
・水なすハウス内の温度が35℃を超えると、奇形果の原因となるため、ハウスの換気に努め、ハウス内があまり高温に ならないように注意します。
・早朝に急激な換気を行うと、ハウスサイド周辺の水なすの株に、がくの褐変などの障害を生じる恐れがあるので注意します。
なす伝の工夫
なす伝では春から夏にかけての水なすハウス内の異常な温度上昇に対応するため、高圧換気扇による入排気を行なっています。サーモスタットにより自動に換気が出来るようにしてあり、とても活躍しています。
![ハウス内トンネルteisyoku[1].jpg](https://nasu-den1.up.seesaa.net/image/E3838FE382A6E382B9E58685E38388E383B3E3838DE383ABteisyoku5B15D-thumbnail2.jpg)
水なすハウス内のトンネル。晴れた日には裾をたくし上げて全開にする。
![なす伝ハウスの高圧換気扇(ハウス内から見たところ)2013030618174483d[1].jpg](https://nasu-den1.up.seesaa.net/image/E381AAE38199E4BC9DE3838FE382A6E382B9E381AEE9AB98E59CA7E68F9BE6B097E68987EFBC88E3838FE382A6E382B9E58685E3818BE38289E8A68BE3819FE381A8E38193E3828DEFBC892013030618174483d5B15D-thumbnail2.jpg)
なす伝水なすハウスの高圧換気扇。ハウス内の温度が一定以上になると外気が流入するようサーモスタットで管理している。
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