各地の水なすへの取り組み

 近年泉州水なすが全国的に受け入れていただけるようになり、大阪泉州より全国へも取り組みの動きがあり、一大食文化が広まりつつあります。同時に大手の種苗会社様からも紫水、SL紫水、泉州系水茄子など新しい品種が次々と発表されています。これはなにも今に始まったことではありません。
 古くは江戸時代の参勤交代で、初代土佐藩主の山内一豊は、土佐に帰る途中、泉州の岸和田城に立ち寄り「茶がゆ」と一緒に出せれた水なす漬けが殊のほか美味しく、忘れられず土佐に帰り水なすの栽培を始めましたが、「育たなかった」とのことです。
 さらに、昔から地元では、「豊臣秀吉や千利休、曹呂利新左衛門(※)にも愛された」と伝えられております。
 ※曹呂利新左衛門(ソロリシンザエモン)・・・豊臣秀吉の臣で、堺の人。鞘師(さやし)を業とし、鞘に刀がよく合ったので、「そろり」の異名がついたという。頓知(とんち)に富み、和歌・茶事・狂歌にもすぐれたというが、実在を疑う説もある。生没年未詳。

 なす王国である新潟県の十全ナスは、泉州水なす系の一つを昭和の初めに中蒲原の十全村(現五泉市)で栽培したのが始まりです。白十全茄子(本十全茄子)と呼ばれる茄子です。十全茄子はその他、長岡大島地区に導入された泉州水茄子系の一つの梨茄子(黒十全なす)があります。
 愛知県の岡崎市では、数人の生産者が40アール のビニールハウ スで栽培し、名古屋市の場に出荷ています。皮の薄さから表が傷つきやすく、生産者は入念に摘葉などの世話をしておられるとのことです。
 和歌山県の旧打田町(現・紀の川市)は、大阪府泉州地方との県境に位置し、水なす栽培の歴史は古く、昔から水なすファンの間で知られているブランドで、京都の高級漬け物店でも使われている逸品です。京都府、奈良県、愛知県では水なすとして、和歌山県では泉なすとして栽培されています。

 これ程の知名度、人気のある水なすですから、現在でもこれら以外に全国で似た気候で栽培する取り組みがありますが、実際には育ちにくい状況です。また、育っても1年だけだったり、形や見た目は変わらない水なすが栽培されても、漬け込んだ時の瑞々しさや味などは、泉州の水なすと同じようにはいかないようです。泉州が生んだ水なすは、これからも泉州の地を中心に生み出されていくのでしょう。
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